僕はイチローが嫌いだ
どうも31103です。
昨日3月21日にイチローが引退を表明しました。
僕は野球には全くと言っていいほど興味がないので、イチローと言う存在の凄さを完全に実感することができないんですけど
それでもイチローがすごいと言うことはわかる。
僕はイチローが嫌いだ。
昔見たcmでこんなのがあったのをご存知でしょうか?
僕が看護師一年目の時の師長さんがそれはもうイチローの大ファンで、初年度の病棟会(会議みたいなもの)で師長さんの目指す看護師像としてイチローを紹介していました。
ちょっと名言を検索すれば数えきれないほどの名言が出てきて、それだけでイチローの芯の強さが伺えると思います。
師長さんは「自分が常にプロであることを意識して働きなさい。」と話していました。
僕は強い人間が嫌いでした。
当たり前のように努力ができて一切の努力を怠らず、日々自分がなにをすればいいか考えて生きることができる。
そんな人間を目の当たりにするとまるで自分の生きている時間が無駄なように見えてくるし、そんな「自分がやらなければならない、当たり前のこともできない人間の気持ち」もわからないんだろうとずっと思っていました。
だって努力って怖くないですか?
必ずそれに伴って見返りは返ってくるわけでもなければ、自分が頑張ってもどうにもできなかったことなんて人生で振り返れば多々ある。
そんな経験一個でもあれば「どうせ頑張ったって」「これくらいでいいだろう」
そんな気持ちで終わらせてしまうのが弱い人間だと思います。
もっと近いところで言えば、朝起きる布団から出られなかったり、テスト勉強をせずにゲームに手を出すことや、はたまた仕事が嫌で流すように仕事をするなど手を抜くことは簡単です。
そんな気持ちをイチローがわかるはずなく、イチローのような人間はそんなことも無視して自信もやってのける。
そう思っていた。
イチローのインタビューですごく心打たれた場所があった。
常々、最低50歳まで現役ということをいってきたが、日本に戻ってもう1度プロ野球でプレーするという選択肢はなかったのか?
「なかったですね」
どうしてか?
「それはここで言えないなぁ。ただねぇ50まで、いや最低50までって本当に思ってたし。でもそれは叶わずで。有言不実行の男になってしまったわけですけど、でも、その表現をしてこなかったら、ここまでできなかったかなという思いもあります。だから、言葉にすること。難しいかもしれないけど、言葉にして表現することというのは、目標に近づく一つの方法ではないかなと思っています」
イチローや本田圭佑などトップに立つ人間は常に高い目標を口に出す。
言葉に出すことでそれを自分の課題として常に意識し追い込む。
これって本当にすごいことだと思います。誰しも高い言葉を口にしたら
「そんなのできっこない。」「無理に決まってる。」って口を揃えるけどそれを跳ね除けて彼らは次を口にするのです。
僕の友達は「二ヶ月禁煙する。」って言って2週間で吸ってたし
「ダイエットする。」て言ってた同僚はその場の飲み会で唐揚げにマヨネーズつけてたもん。
でもこれを読んで考えてみると結局他人がどうとか関係なくて、いつだって闘うのは自分自身。
イチロー自身、周りからの「無理だろう」と言う言葉を跳ね除けているわけではなくて、彼らには僕らの存在など見えていない。あくまで自分の中で自分に言い聞かせるように或いは奮い立たせるように言葉にしているのだと思います。
イチロー選手の生きざまで、ファンの方に伝えられたことや、伝わっていたらうれしいなと思うことはあるか?
「生きざまというのは僕にはよくわからないですけど、生き方というふうに考えるならば……先ほどもお話しましたけども、人より頑張ることなんてとてもできないんですよね。あくまでも、はかりは自分の中にある。それで自分なりにはかりを使いながら、自分の限界を見ながら、ちょっと越えていくということを繰り返していく。そうすると、いつの日からかこんな自分になっているんだ、という状態になって。だから少しずつの積み重ねが、それでしか自分を越えていけないと思うんですよね。一気に高みに行こうとすると、今の自分の状態とギャップがありすぎて、それは続けられないと僕は考えているので、地道に進むしかない。進むだけではないですね。後退もしながら、ある時は後退しかしない時期もあると思うので。でも、自分がやると決めたことを信じてやっていく。でもそれは正解とは限らないですよね。間違ったことを続けてしまっていることもあるんですけど、でもそうやって遠回りすることでしか、本当の自分に出会えないというか、そんな気がしているので。自分なりに重ねてきたことを、今日のゲーム後のファンの方の気持ちですよね、それを見たときに、ひょっとしたらそんなところを見ていただいていたのかなと。それは嬉しかったです。そうだとしたらすごく嬉しいし、そうじゃなくても嬉しいです、あれは」
これを読むと自分の器の小ささが身に沁みる。
俺はイチローが嫌いなんじゃない。
イチローになれない自分が嫌いなのだ。
ただでさえ看護師をやめようとしてて自分が誰だかわからなくなるのにイチローにこんこと言われちゃうと泣けてくるよ。泣かないけど
本当の自分に会えるように地道に遠回りして進むしかない。
僕はイチローになれない自分が嫌いだ。
そして
イチローを本当に尊敬している。
本当にお疲れ様でした。